庭に巣箱を置き、毎年鳥がひなを育て巣立っていたが、今まで全く気にもとめなかった。
妻がいつも手入れをしていた。
一度蛇が巣箱に入り込んだ時に少し気を配ったくらいだったが、今年はそんな私に新しい
世界を見せ目を覚まさせてくれた。

ある時、巣箱に雀が2匹いるのに気づいた。そしてメスが巣箱に入っていくのを見た。白黒の
小さい鳥が今年も先に巣作りをしていたので、不思議に思った。安易に、白黒の鳥がでていって
雀が巣作りを始めたのかと思ってしまった。

妻がそれに気づき、雀が占領をしていると私に言った。

周りの木々を見ると、親鳥がないて飛び回っているのに気づき、雀を追い返した。そして、
その雀たちはしつこく何回も戻ってきては、元の鳥が子供達にえさをやるのを邪魔しようとしていた。

雀が来るたびに私もしつこく追い返していた。ある時点でこなくなったので安心していると、
妻と娘がひなの声がなぜか近くに聞こえると
言い、なんと巣箱の近くに置いてあったバケツの中にいるのに気づいた。私達にきづくと口をあけた。
お腹がすいていることに気づき、早く戻してあげなければとプレッシャーになった。
人の匂いがつかないように
必死でそのひなを巣箱の中に戻してあげた。その時も親鳥が大きいミミズを加えながら私達を見て
待っていた。

巣箱に戻した後、すぐに家に隠れ見ていると、親はまた必死にえさをあげまくっていた。

翌日朝、親鳥とひなの声がよく聞こえ、餌もたくさん運ばれていたので安心した。その日教会だったので、
夕方心配ながら帰ってくると、巣箱周辺は静かになっていた。

翌朝も、親鳥が全く餌をあげにやってこないし、巣箱からも何も声が聞こえない。

仕事に行っている間、妻からメールが入った。妻も気になり、ついに巣箱を開けてみると、6匹の
ひなが死んでいたので、妻は悲しみに陥った。そして、初めてこの鳥のことを調べた。

しじゅうからというスズメ科の鳥で、そこらへんにいる鳥だったらしい。お腹のところに黒いネクタイみたいに
腺があり、鳴き声もかわいいし、見た目もかわいいが、雀と違い肉食で、クモや虫しか食べない。
そして、ここが大事。通常8~9個の卵を産むらしい。

ということは、2匹か3匹のひなは無事に巣立ったということだ。そして、2日前に助けてあげた
ひなはどうなったのか心配で、帰宅後すぐに確認すると、その子はいなかった。無事に巣立ったことが
分かってほっとした。

そして、もっと嬉しいことが起きた。

翌朝窓をあけて朝食をとっているとき、懐かしい鳴き声が聞こえた。あの親子の鳴き声だった。すぐに
窓に行き外を見ると、何もなかった。気のせいかと思い、食卓に戻ると、妻が窓を見てしじゅうからが
外にいるよと教えてくれた。すぐに窓に戻ってみると、1匹ずつ枝から枝に飛びながらこちらを見ているのが
分かった。数えると5匹いた。あの親子たちだった。子供達は小さく見えたが無事に親と一緒に飛んでいた。

神様は動物たちを支配されている。その5匹が、私達を見ながら飛んで去っていった。あたかも、私達の
少し傷ついた心を、私達は大丈夫よ!と言って慰めてくれていたかのように。そして、それが神様の
ワザであることも知った。動物の死も神様が支配されている。しじゅうからは特に、虫をたくさん食べるので
虫の数をコントロールしていると言われている。

この日以降、私は、今まで知らなかったしじゅうからという鳥に魅せられ、外を歩くときいつも探すように
なってしまった。